
18年度トリプル改定、不透明なプラス財源 11日の週がヤマ場
2018年度予算編成で大きな焦点となるトリプル改定を巡り、霞ヶ関や永田町では水面下の交渉が本格化している。薬価見直しなどで、社会保障関係費の自然増6300億円を5000億円に圧縮するための1300億円の財源はめどがついたが、各改定をプラスにするための財源捻出はまだ先が見えない。
2018年度予算編成で大きな焦点となるトリプル改定を巡り、霞ヶ関や永田町では水面下の交渉が本格化している。薬価見直しなどで、社会保障関係費の自然増6300億円を5000億円に圧縮するための1300億円の財源はめどがついたが、各改定をプラスにするための財源捻出はまだ先が見えない。
厚生労働省は8日の中医協総会で、療養病棟入院基本料に関連して、医療区分3の「医師および看護師による常時監視・管理」の扱いの見直し案を提示した。厚労省案を支払い側が支持する一方で、診療側が現行の仕組みを維持するよう強く求めた。
8日に開かれた厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会」では、取りまとめ案に記載された偏在是正に向けての経済的インセンティブについて、森田朗構成員(津田塾大教授)が「いろいろな形での診療報酬の手当ては可能。もう少しクリアに書いてもよいのではないか」と指摘する一幕があった。
厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会」は8日、来年の通常国会に法案提出を目指す医師偏在是正策の「第2次中間取りまとめ」を大筋でまとめた。
厚生労働省は8日の中医協総会で、特別養護老人ホームなどの介護施設での看取りについて、現在は併算定できない診療報酬の在宅ターミナルケア加算などを算定できるようにしてはどうかと提案した。診療側は賛同したが、支払い側からは特養では配置医を活用すべきではないかなどの慎重な意見があった。
厚生労働省は8日の中医協総会で、2018年度診療報酬改定での小児への対応について、▽小児かかりつけ診療料の一部要件緩和▽小児科療養指導料の規定の見直し―などを提案した。各側の委員から大きな反対はなかった。
厚生労働省は8日の中医協総会(会長=田辺国昭・東京大大学院教授)に、入院医療の「長期療養」に係る新評価体系を提案した。療養病棟入院基本料を一本化する方向性はすでに了承されており、新評価体系案では看護職員配置等の基本部分と、医療区分2・3患者割合など診療実績に応じた評価を組み合わせる内容。
8日の中医協総会で診療側の今村聡委員(日本医師会副会長)は、医科:歯科:調剤で1:1.1:0.3となっている改定財源の配分を見直すよう求めた。
中医協総会は8日、電子レセプトに対応している医療機関に対し、レセプトへ患者氏名をカタカナで記載するよう協力を求めることを了承した。
厚生労働省は8日の「全国在宅医療会議ワーキンググループ」(WG)で、在宅医療の重点分野に関する取り組みの各団体共通の中長期目標について、今後の論点などを説明した。議論する上で留意すべき視点として「在宅医療の対象者(高齢者、小児)」と「各団体同士で連携して取り組むこと」を挙げた。